暴走族に恋した私
「そんな、焦んなくていいよ。」
巴は苦笑いを浮かべ、そういってくれた。
「この人は隆志っていうの。」
「私の「巴の彼氏です。」
巴の言葉を遮って、隆志さんはそう言った。
巴は「もう、邪魔しないで。」と言っているけど、どこか嬉しそうな様子。
幸せそうな二人を見て、口角が徐々に上がる。
「由奈、外に仁いるよ。」
「へっ?」
後ろを振り向くと、窓の外にはバイクから降りる仁が居た。
もう冬の季節だから、とても寒そうに見える。
私を見ると小さく笑って、手招きをした。
「バイバイ。」
私は巴に手を振って、隆志さんにお辞儀をするとその場を離れた。
本当に迎えに来てくれたことがうれしくて、胸がきゅぅっとなる。