暴走族に恋した私
「中で、お茶しない?」
少しだけ暗くなった雰囲気を変えるためにと思って、お茶に誘う。
「そうだな、たまにはゆっくりするか。」
「うんっ。」
私は仁の手を掴んで、店内に入った。
お客としてはお店に入ったことがないので、少しわくわくしている。
それに、仁とのカフェは人生初。
付き合って、一ヶ月くらいが経つけれど…こうやって、ゆっくりするのは初めてかも。
カウンターの席に向かおうとするけど、巴と隆志さんを見て足を止めた。
こんなところで邪魔しちゃいけないよね。
私は踵を返し、テーブル席に向かう事にした。
「あれって…。」
仁も二人に気づくと、そうつぶやいた。
やっぱり仁も隆志さんのこと知ってたよね。
なんか話に盛り上がって、良い雰囲気だもん…邪魔はダメだね。