暴走族に恋した私
「二人のとこ、行かなくていいのかよ?」
「ううん、大丈夫。」
私は、首を横に振った。
人の恋路を邪魔する奴は馬に踏まれて…なんちゃらって、やつだもん。
そんなことより、何を頼もうかな。
メニュー表を仁にも見せながら、何を頼むか考えはじまめる。
「俺、コーヒー。」
「えっ、考えるの早いよ。」
「お前が遅いんだよ。」
ふんっと微かに鼻で笑う仁に、少しだけ怒る。
机の下に手を伸ばして、仁の太ももを軽めにつまむ。
お肉が全然ついていなくて、つまめる場所が全然ない。
そのせいで、多分…いやきっと、余りつまんでいる意味がない気がする。