暴走族に恋した私
太ももをつまんでいた手に、仁が手を重ねた。
「手、つめた。」
「じ、仁?」
いきなり手を掴まれたので、なんだか恥ずかしくて俯いた。
さっき抱き着いたりしたのに、手が触れるだけで恥ずかしいだなんて。
でも…相手から触れられると、予想よりも恥ずかしい。
「あれ、照れてんの?」
仁のニヤニヤした顔が頭の中に思い浮かぶ。
「恥ずかしがって…」
少し大きめの声で言いながら、顔をあげた瞬間。
仁の顔が近づくと、一瞬で唇を重なった。
触れるだけのキス、でも私の思考回路をストップさせるのは充分だった。