暴走族に恋した私
「これって、私のために買てくれたの?」
「…うぬぼれんな。」
ちょっとキツメの口調で言う仁だけど、頬がほんのりピンクになっている。
やっぱり、私のため?
そう思うと、頬が知らず知らず綻んでいく。
「やっぱり、スキ。」
その意地っ張りで、素直になれないところも含めて。
「…もう、注文するぞ。」
「うんっ。」
私はもう一度、手袋を見てにやけると大事にポケットにいれた。
仁は私が寒いだろうな、って…そんなこと思って、買ってくれたの?
本当にうぬぼれかもしれないけど、やっぱり嬉しいよ。
私はどうしても緩む頬を手でかくして、仁を見た。
胸がきゅぅと、熱くなるのが分かった。