暴走族に恋した私
五章 姫の存在
隠したこと
「ゴホッ、ゴホッ。」
私は口を押えながら、咳き込んだ。
黒龍のみんなで地下のたまり場にいるけれど、よく分らない話ばかりをしている。
皆、深刻な顔をして話を進めている。
「由奈、大丈夫?」
「あっ、うん…平気。」
あの日から何故か、巴に素っ気なくしてしまうようになった。
兄弟がスキとか、そういう事に怒ってるんじゃなくて…
そのことを内緒にしていたことが、正直つらかった。
何でも話せる仲と思ってたのは、そう信じていたのは私だけだったの?
――ズキズキ
いろいろ考えていると、頭が痛い。
どうすればいいのか、私には分からない。
なんていうか胸の中に真っ黒なモヤモヤが、溜まっている感じ。
何もないはずなのに、イライラしてる。