暴走族に恋した私
「私、帰る。」
その場から立ちあがって、外に向かう扉に行く。
「待て、おくる。」
「大丈夫、今日は一人で帰らせて。」
仁の言葉にいつもは、素直にうなずくけど今回は断った。
一緒に居たら、きっと酷い言葉ばかり言いそう。
今は誰とも居たくない、話したくない。
「いいから。」
「だからっ、今日はいい。」
仁の落ち着いた言葉に、何倍も強い言葉で返す。
「我儘いうな。」
「我儘じゃない、お願いだから一人で帰らせて。」
仁が私の手を掴もうとするけど、それを払った。
仁の驚いたような顔と少しだけ悲しんだ顔を見て、しまった。と思った。