暴走族に恋した私



「ねぇ、話を聞いてくれる?」







悩みを誰かに話したい、そう思っていつの間にか朔にそう問いかけた。



朔はふんわりと笑って、頷く。



そんな朔を見たら、固かった口は緩くなり、今まであったことを話し出す。



無意識のうちに、溜まっている鬱憤が出ていく。







「なんで、周りに相談しねぇの?」




「迷惑をかけたくない。絶対に。」







ずっと、後悔してきた。



仁にはいつも心配してもらって、何度も助けてもらった。



だから、迷惑なんてかけれない。



巴のことだって誰にも言えない、ずっと我慢して、聞くにも聞けないで…。



黙って、隠していた。





大切なものだから頼るんじゃない、大切だからこそ頼らない。



だから私は、皆に嫌われよりも私は溜め込む方を選ぶ。
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