暴走族に恋した私
「我慢すんなよ、今日は泣け。叫べ。愚痴れ。笑え。」
「溜めてる分を吐きだせ、全部を聞いてやる。」
朔の言葉が、心に響く。
どうしてだろう、朔にはこういうことが言いやすい。
「知らない奴の方が言いやすい事って、あるだろ。」
朔は私の心を見透かしたかのように、言い放った。
確かに知らない人だと、嫌われる心配なんかしない。
だからこそ、言えやすいんだ。
私はその言葉に妙に納得しながら、二回ほど頷いた。
「けど、今日だけな。」
「えっ…?」
「今日は味方だけど、明日は敵なんだよ。」
朔の言葉の脈略がよく分らず「そうなんだ。」と、受け流した。
朔が何を背負っているか分からないけど、もうちょっと楽していいとおもうのに。