暴走族に恋した私
「まぁ、気にするな。」
「あっ…うん。」
話している横顔は少しだけ、切ないようにも見える。
私は暗くなった雰囲気をやぶるように、違う話題を出した。
「なんで、病院に居たの?」
「風邪でも「仲間が意識不明の重体、だから看病しに。」
私は喋るのをやめた。
意外にも重くのしかかるような言葉を返されるなんて、想像もしていなかった。
風邪か、怪我か、何かかと思った。
仲間が意識不明の重体…、キツくないのかな?
大変じゃないのかな…?
彼は背中を見せて「っま、俺はそんなところ。」陽気な声で答えた。
その後ろ姿は大きいけれど、私には小さく見えた。
哀愁が漂うその後ろ姿に、何故か誰かの背中と重ねた。