暴走族に恋した私
「その仲間は、他の族との抗争で…事故った。」
「俺らの世界はそれくらい危険で、それくらい度胸がいるんだよ。」
朔たちのチームでもありえるのなら、王龍でも…。
想像するだけで、背筋に悪寒が走った。
そんなこと考えたくない、あってほしくない、けどありえることなんだ。
「お前にはそいつらを見守る自信と勇気はあるか?不安にならないか?笑顔で見送れるか?」
「それをするのが―――姫だよ。」
「っぅ。」
心に刺さるような言葉。
見守る自信なんてない。
大切な人たちが傷ついてるのに、見守れない。
不安にならないわけない。
怪我してないか、どうなってるか、きっといつでも不安だよ。
笑顔で見送れない。
心配で仕方がないって、そんな顔をしていると思う。
きっと、私は姫になれる自信と勇気がない。