暴走族に恋した私
「なれないなら、王龍の姫をやめればいい。」
「王龍は常に狙われる存在、俺たちも実際に狙ってる。」
危ない、役に立たない。
そんなネガティブなことを頭に思い浮かべると、最後にたどりつくのは姫をやめる。
けど、けど。
今だって、わがままを言って困らせてるけど。
「…だけど。」
「好きだから、離れたくない。」
笑顔で見送れないと思う、絶対心配しちゃう。
でも彼らのことが好きだから、大切だから…かけがえのないものだから。
私は絶対に離れたくない。
私は前をしっかり見て、朔に答えた。
朔はそんな私を見て、ふんわりと優しく笑った。