暴走族に恋した私
「それじゃぁ、私は用があるんで帰りますね。」
「さよなら。」
大きく頭を下げると、急いで走りだした。
これを受け取ったときの仁の表情を想像してみる。
嬉しいって思ってくれるかな、どう思ってくれるかな?
そんなことを考えると、とっても楽しみ。
あと少し。
あと少しで、仁の誕生日にクリスマス。
―――「あと少しだな。」
それと同時刻、水面下であることが行われていた。
それはまだ、由奈は知ることがない。
「そうだな。」
煙草の吸殻を灰皿に押し付けながら呟く朔。
その周りを仲間が囲むようにして、その場にたつ。