暴走族に恋した私
凛とした強い目に、目が離せなくなりそうな綺麗な顔。
強がりだけど意地っ張りで、けど弱虫で泣き虫なヤツ。
「姫がたんねーな。」
小さくつぶやいた声を近くにいた水瀬は、その言葉を漏らさず耳に入れる。
そして、朔につぶやいた。
「前夜祭だ。」
「あっ?」
幹部の言葉に朔が反応をすると、水瀬はにやりと笑った。
そう前夜祭だ。
もう一度呟いた。
「龍王と戦う数日前に、姫でもさらうか?」
「姫を利用し、龍王の全員を出して…全面戦争はどうだ?」
その場にいた全員が、同意の声を出す。