暴走族に恋した私
スタート
朝起きると、リビングに向かってソファに転がった。
そして、近くに置いていたものを手に取る。
「これで、喜べばいいな。」
私は仁への誕生日プレゼントがはいった袋を見てつぶやいた。
中身は手袋にしては高すぎる値段のものと、シルバーの龍のネックレス。
バイト代は一日にして、なくなった。
本当はケーキとか買いたかったんだけど…お、お金が。
だけど、その前に巴とカフェに行くんだよね。
話したいことがあるって…、いったい話ってなんだろう?
視線をかえ、時計を見る。
針はすでに10時を指していた。
…や、やばい。寝すぎてしまったかもしれない。
かもじゃなくって、寝すぎた。
巴とカフェで待ち合わせの時間は、あと三十分しかない…。