暴走族に恋した私
「お兄ちゃんと付き合ってるの。」
小さな声だった。
けれど、静かなこの場にはよく響いた。
私にはその言葉がしっかりと聞こえ、理解できた。
やっぱり。
という気持ちがある。
けど、それ以上に…それ以上に。
「やっと、言ってくれた。」
それが一番。
私が初めに会った時、治療してくれて…たくさんの話をしてくれて。
初めて会った私に優しく接してくれた。
初めての女の子の友達なんだ。
小学校のころから、ずっと本物の友達にあこがれていた。
仲よくしているけど、裏では悪口言ったり。
巴は、そんな子じゃない。
巴はどんな時でも私を助けてくれた、信用してくれた。
だから、次は私が助けるから。