暴走族に恋した私
「ありがと...あ。」
「どうしたの?」
巴は思い出したように言って、その場から立ち上がった。
その様子は、焦っているように見える。
なんか大事な用事なのかな?
私も急いだほうがいいの?
「ここは街外れだから、大丈夫なはずなのに...。」
「最近、王龍の姫狩りが始まったの。」
姫狩り?
これも聞き覚えのない言葉だ。
でも龍王は仁で、その姫...それって、私?
「百鬼ごときで調子乗ってる。」
そういう巴は物凄く怒っているように見える。
「まだ少ないうちにお店を出て、仁のもとに行こう。」
巴が私の手を引いて、お店を出る。
周りの目を伺い、急ぎ足で進んでいく。