暴走族に恋した私



「ありがと...あ。」



「どうしたの?」






巴は思い出したように言って、その場から立ち上がった。


その様子は、焦っているように見える。



なんか大事な用事なのかな?

私も急いだほうがいいの?





「ここは街外れだから、大丈夫なはずなのに...。」



「最近、王龍の姫狩りが始まったの。」





姫狩り?


これも聞き覚えのない言葉だ。


でも龍王は仁で、その姫...それって、私?





「百鬼ごときで調子乗ってる。」





そういう巴は物凄く怒っているように見える。





「まだ少ないうちにお店を出て、仁のもとに行こう。」





巴が私の手を引いて、お店を出る。


周りの目を伺い、急ぎ足で進んでいく。

< 236 / 295 >

この作品をシェア

pagetop