暴走族に恋した私
「んー!」
私は立ちながら朔に抵抗を試みる。
朔がもう片方の手で電話をする。
「捕まえた、車でこい。」
そう簡潔に言うと、電話を切った。
私は手で朔の手を叩く。
それでも朔は気にせず、口を押えている。
車が来たら、逃げれない…だから今のうちに逃げなくちゃ。
それに、口を押えられると…くるしい。
呼吸がしずらい。
早くこの手を外さないと、なんていうか酸素がたりない!
「んー。」
どんどん力がなくなっていき、足が震え体制が崩れていく。
地べたに座るような体制になると、朔が私の両手を開いてる手でつかんだ。
そして口元にあった手を離してくれた。