暴走族に恋した私
「ごほっ、ごほっ。」
むせかえると、一気に息を吸う。
口を押えられるのって物凄く苦しいっ。
「ごめんな。」
そういって、少し乱れた髪の毛をサラリと触ってなおす。
謝る姿は申し訳なさそうで、それでもやめれないというような感じに見える。
その姿を見ると、何も言えなくなる。
本当は怒ったりとかののしるところかもしれない…
けれど助けてもらったりとか、相談乗ってもらったりとか。
彼の優しい一面を見てしまったから、何も言えない。
いまでも心の中では‘助けてくれる’って思ってる。
でも、なんで…朔が私を捕まえる必要があるの?
「朔が百鬼の総長なんだ。」
私が風邪ひいたあの日、トップの責任を語った。
私を捕まえようとした。
そういうことなんだ朔は背負ってるから、捕まえようとするんだ。