暴走族に恋した私
最終章 覚悟
嫌いだから
暫くして着いた先は、大きな廃ビルだった。
その駐車場にはバイクが数台並んでいた。
隣に車を止めると、無理やり降ろされた。
廃ビルの中に入ると想像よりは明るい雰囲気で、数十人の人が居た。
三十人くらいかな…?
視線は私や朔に集まっている。
異様なものを見るような…いや敵を見るような目で見てきた。
「二階に行くぞ。」
朔は私を後ろに隠しながら、階段を上がる。
車を運転していた人も一緒になって、駆け上がっていく。
「お疲れー。」
二階に上がると数名の人たちが、ソファなどでくつろぎながら声をかける。
金髪の人が私を見ると、ニヤニヤ笑いだす。
ソファから立ち上がるとゆっくりこっちに向かって歩き出す。
その人の纏う雰囲気が軟派な感じがして、苦手だな。