暴走族に恋した私
最終章 覚悟

嫌いだから




暫くして着いた先は、大きな廃ビルだった。




その駐車場にはバイクが数台並んでいた。


隣に車を止めると、無理やり降ろされた。




廃ビルの中に入ると想像よりは明るい雰囲気で、数十人の人が居た。



三十人くらいかな…?




視線は私や朔に集まっている。


異様なものを見るような…いや敵を見るような目で見てきた。






「二階に行くぞ。」





朔は私を後ろに隠しながら、階段を上がる。



車を運転していた人も一緒になって、駆け上がっていく。





「お疲れー。」





二階に上がると数名の人たちが、ソファなどでくつろぎながら声をかける。




金髪の人が私を見ると、ニヤニヤ笑いだす。


ソファから立ち上がるとゆっくりこっちに向かって歩き出す。



その人の纏う雰囲気が軟派な感じがして、苦手だな。

< 244 / 295 >

この作品をシェア

pagetop