暴走族に恋した私
「嫌い、嫌い…大っ嫌い。」
涙がこぼれる。
だけど、嗚咽を我慢する。
皆の動きが止まって、視線は私に向かう。
「私はここにいる。」
助けてもらった、あの日から。
私はずっと仁の横に居たかった。
仁の横でただ笑って、一緒に居て…幸せに過ごしたかった。
けれど仁に恋したのは私だから。
暴走族で普通じゃない仁に恋したのが私だから。
皆を守るって、決めたから。
私はそのためなら幸せじゃなくてもいい、守ってもらわなくてもいい。
大切な人には幸せでいてほしい。