暴走族に恋した私



仁を見て、自然と口が開いた。


皆より先に言いたかった言葉。



こんな状況になってしまったけど、ずっと言いたかった言葉。






『誕生日おめでとう。』





口ぱくで仁に伝えた。


仁に伝わったのか笑って、頷いた。






『愛してる。』





仁の口パクが分かった。


その言葉と同時に外に出て行った。




居なくなったのが分かると、倒れ込むように地面に座る。




涙が出てきて、我慢していた嗚咽が出てきた。





その言葉は反則。


そんな表情で、その言葉を言われると…助けてって言いそうになる。




渡したかったプレゼントは渡せなかったけど、言いたかったことは言えたよ。


こんな状況でごめんね。

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