暴走族に恋した私
「おい、お前が例の彼氏か?」
仁さんは、怒る雄也さんに冷静に対処する。
『お前誰だよ?由奈そこにいんだろ、変われよ。』
「手を出す男に渡すわけ無いだろ。」
『そいつは、俺の所有物なんだよ。』
所有物。
やっぱり、私はそんな風にしか思われていなかったんだ。
分かりきっていたことだけど、はっきり聞くとキツイ。
「ざけんなっ!」
仁さんが声を荒げた。
「お前、彼氏だろ?守れよ。」
仁さんの言葉が胸に響く。
守れよ、そんなこと初めて言われた。
温かい言葉が、冷え切った心を少しずつ暖めていく。