暴走族に恋した私
「アンタの大切な王龍のメンバーが、そうなったらどうする?」
頭を強く殴られたような衝動が走る。
考えてもみなかった。
いつそうなってもおかしくない。
喧嘩をしたら怪我をするし、バイクに乗れば事故をするかもしれない。
そのとき、私はどうするんだろう。
「泣くの?さっきみたいに?」
胸がギュッと締め付けられた。
あんなの私の我儘でしかない。
皆は私のために来たのに、あんな風に我儘を言って。
怪我をしてほしくない。
そればっかりで、喧嘩なんかしてほしくないって……心の中でいつも思っていた。
誰かが傷ついて、それをみて傷つくのが嫌だった。