暴走族に恋した私
「今のうちに言うけど、俺ら勝ちを譲る気ないから。」
「絶対に。」
朔が付け加える。
それぞれの顔が、本気で負ける気がないということを物語っている。
「……そろそろ寝れ、疲れてんだろ。」
朔が私の腕を掴んで、強引にソファから立ち上がらせる。
確かに今日はいろいろあって疲れたな。
「こっちの部屋。」
朔の紹介した部屋に入ると、中にはベットとテレビしかないシンプルな部屋だった。
朔は「なんかあったら、呼んでいいから。」と言って、部屋の外に出た。
一人になった部屋で盛大な溜息を吐く。
なんだか、今日は疲れたな。