暴走族に恋した私







この窓からでもいいから、今すぐ外に出たいな。



この窓から……?






「そうだよ、こここから逃げればいいんだ。」




「どうした?」



「ううん、ちょっと切るね。」






仁の返事を聞かずに電話を切る。



もう一度、仁からの着信がくるが出ないことにした。






きっと言ったら反対するから。


だから電話には出ない、ごめんね。





―――私には覚悟が足りない。



今でもやっぱり怪我はしてほしくないって思ってる。




けど、自分に出来ることをするから。


囚われの姫なんてらしくないから、自分らしく会いに行くから。






< 271 / 295 >

この作品をシェア

pagetop