暴走族に恋した私
その後ろ姿が何だか愛しくて、いつも見ているはずなのに懐かしく感じる。
少しずつ近づいていく。
彼との距離が近くなっていく。
「仁。」
名前を呼ぶと、仁が振り向いた。
私を見て驚くと、すぐに駆けつける。
「由奈」
仁に会えたことが嬉しくて、仁の声が聞けたことが安心して、崩れるようにその場に座る。
「怪我だいじょうぶ?」
「大丈夫、怪我はないか?」
「平気だよ。」
大丈夫って言っている仁の怪我だけど、血が少し滲んでいる。
その怪我を見ると、何だか痛々しく感じる。