暴走族に恋した私
「アイツらだ。」
仁の言葉で、一瞬で状況が把握できた。
このバイクの持ち主はきっと朔たちだ。
幸せに浸っている場合じゃなかった、私は追いかけられているんだ。
「由奈は隠れてろ。」
「でも「仲間に電話して呼ぶから。」
私にできることはない。
颯斗との話で、覚悟を決めるって決めたのに。
唇を噛みしめる。
非力の自分が憎たらしい。
私は言われるままに、公園の中の遊具の陰に隠れた。
数台のバイク音が徐々に近づいてくる。