暴走族に恋した私
ギュッと目をつぶる。
しばらくすると、バイクの音がすぐ近くになり。
いつの間にか止んだ。
嫌な想像が脳裏に浮かぶ。
ゆっくりと恐る恐る目を開けてみると、予想通りバイクが公園の前に止まっている。
バイクの持ち主は朔と水瀬さんだった。
「ずいぶん野蛮だな、お姫様は。」
「まさか、あんなことをするとはな。」
朔と水瀬さんが二人で話している。
この場の雰囲気が悪くなるのが分かった。
仁と朔の二人の目が合うと、まるで空間が止まっているように感じた。
水瀬さんはバイクに寄りかかりながら、私のほうをずっと見据えている。