暴走族に恋した私
痛みも前より、だいぶん引いた。
だんだんと睡魔が襲ってくる、目も霞んできた。
「おやすみ。」
ふと頭の上から、そんな温かな声が聴こえてきた。
不思議と安心感に包まれた。
それを最後に意識を途切れた。
――――……
目を覚ませば、横には端正な顔立ちの仁さんが居た。
驚きの余り叫びそうになった、けれどその口を抑えた。
叫んだら、起きちゃう。
すーすー、と聞こえてきた、正常な寝息が聞こえる。
髪の毛がふわっとなって、思わず触りたくなる。
髪質がまるで、チワワの毛みたい。