暴走族に恋した私
私の求めていた、普通の生活。
けれど、少し物足りない。
何故か、仁に会いたいって思うんだ。
一番、会いたい人。
私はつまらない日々を過ごしながら、早くも一週間が経とうとした。
「引越し、しようと思うの。」
一緒にご飯を食べている時、母がそう呟いた。
今さっきまで、テレビの話で笑ってたのに、そのノリで言うなんて。
私は、空いた口が閉じれなかった。
「どう?」
「どうって…。」
そんな急に。
別に学校で、話す人とか友達なんていいけど。
「ダメかしら?」
母が申し訳なさそうな表情で、私の顔を覗きこむ。
うっ、そんな顔されたら断れない。