暴走族に恋した私


「別にいいよ。」





私は素っ気なく答えて、テレビに目を移した。



確かに友達も居なくて、不良ばかりの場所で困ってたから良かったかも。





けど、ずっと住んでいた家を離れるのは悲しい。


でも、心を入れ替える良いチャンスだと思う。




傷ついたことも、嫌だったことも、全てを忘れるチャンスだから。





背中の傷はまだ治んない、心の傷も。



だけど、少しずつ解決すればいい。






「隣町に引越しにしましょ。」




「うん。」





雄也さんと出会った、この街を離れる。



仁達に出会ったこの街を離れる。




嬉しいのと切ないのの、半分。


仁に会いたいと思うのは、なんでたろう。


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