暴走族に恋した私

私は頭に浮かんだ、仁の姿を掻き消した。




どうせ、二度と会うことなんか無いんだから。




会いたいって思うだけ、無駄だから。








ーーーーー・・・




それから数週間経がたった。



昨日の夜、遂に引越しが全て終わった。



前の学校では、皆の目の前でお別れの挨拶をした。




皆の目は私を映しては居なかった。




周りと話して、誰1人も私を見ようとはしなかった。




そして最後に先生は、「さとうさんの事は、忘れてはいけません。」と言った。




私はさいとうです。と言いたかった。



忘れてはいけません。と言いながら、先生が先に忘れてるじゃん。




でも、言うのは恥ずかしかった。



プライドが言うのを邪魔した。



私って、どんだけ存在感が薄いんだろう。
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