暴走族に恋した私
通り過ぎる教室の中の人達が、こっちをチラチラ見てくる。
やっぱり、転入生って滅多に来ないから目立つよね。
それに、こんな中途半端な時期だし。
「ここだ。」
私は、先生に言われるがままに教室に入った。
中に入って辺りを見渡した、仁や巴は居ない。
やっぱり、何度も幸せなことがおきたりはしないよね。
あっ、真崎だ。
ふんわりとした髪の毛にぱっちりした瞳、人懐っこい笑顔。
私のオムライスを美味しいっと、言ってくれた真崎。
目が合うと、手を振ってくれた。
「自己紹介しなさい。」
女の担任が甲高い声で、言う。
「斎藤 由奈です。」
一礼をすると、担任に言われた席に座った。
隣の男子が私と目が合うと、頬を染めてきた。