暴走族に恋した私
「由奈ちゃん!おひさぁ〜。」
後ろから愉快な声が聞こえた。
直ぐわかった。
この声の主は、きっと真崎。
振り向くと抱きつこうとする真崎がいた、それを紙一重で避ける。
「避けなくても、いいじゃん。」
ぶぅっと頬を膨らます真崎を見て、思わず笑いが零れた。
やっぱ、犬みたいで可愛い。
「ねえ、仁とかの場所に行こうよ!」
「授業は?」
「久しぶりの再会だからだよ、ね。」
だからってサボるのは・・・。
渋る私に眉を下げて、聞いてきた。
「ダメ?」
下から顔を除きこんでくる。
上目遣いを上手く使ってきた、私より数百倍使い慣れてる。
うっ、仕方が無い。
そんな表情だとなんも言えないよ。
「分かった。」
「やったー!」
真崎は飛び跳ねながら喜ぶ。
私はどうやら真崎には弱いらしい。
電話してる真崎を見ながら、何度目かの溜息を吐いた。