暴走族に恋した私
電話
―ガチャ
屋上の扉を開いた。
そこには既に、仁や巴や他の人たちが集まっていた。
「あっ、この前の女の子?由奈ちゃんだっけ。」
金髪の男の人が、私に聞いてきた。
確か、この前の地下であった人。
「はい、その節はありがとうございました。」
雄也さんから助けてくれたことに関して、私はお礼を言った。
「別にいいよ、気にすんな。」
ニッコリ笑ってくれた。
「あっ、ちなみに俺は甲斐な。よろしくな。」
「よろしくお願いします。」
私はそう言いながら、真崎の横に座った。
そんな私たちを見て、仁はむすっと顔を不機嫌な表情になる。
「あっ、仁が怒った。」
真崎が床を叩きながら、大声で笑う。
仁はそんな真崎を気にせず、私に手招きでくるよう催促する。