暴走族に恋した私

電話


―ガチャ




屋上の扉を開いた。



そこには既に、仁や巴や他の人たちが集まっていた。





「あっ、この前の女の子?由奈ちゃんだっけ。」





金髪の男の人が、私に聞いてきた。



確か、この前の地下であった人。





「はい、その節はありがとうございました。」




雄也さんから助けてくれたことに関して、私はお礼を言った。





「別にいいよ、気にすんな。」





ニッコリ笑ってくれた。





「あっ、ちなみに俺は甲斐な。よろしくな。」



「よろしくお願いします。」





私はそう言いながら、真崎の横に座った。


そんな私たちを見て、仁はむすっと顔を不機嫌な表情になる。




「あっ、仁が怒った。」




真崎が床を叩きながら、大声で笑う。



仁はそんな真崎を気にせず、私に手招きでくるよう催促する。

< 63 / 295 >

この作品をシェア

pagetop