暴走族に恋した私
「巴は好きなひと、居ないの?」
「んー・・・居ない。」
その間は、何だろう。
でも凄く悲しそうな表情だから、聞かないほうがいいよね。
聞かないほうが、良いこともあるし。
「そんなことよりさ、昨日ね。」
巴はコロっと表情を変えて、同じように話題を変えた。
やっぱり、聞かないほうがいいね。
ーーー・・・・・
家に帰ると、机には置き手紙があった。
母から、お仕事で遅くなる。ごめんね。と書かれてた。
やっぱり、お仕事って大変だな。
けど前は置き手紙すらなかったし、私はあるだけで充分。
私はその紙を四つ折りにして、大事に棚にしまった。