暴走族に恋した私
その時、仁が足をとめ振り向いた。
「なぁ、俺達付き合う?」
えっ?
頭の思考回路が、一瞬ストップする。
えっと、告白ってこんなのだったけ?
こう、ムードって奴がない気がする。
「ふっ、冗談だよ。」
騙されやすいな。と付け加えて再び歩き出す仁。
私は安心して、肩の荷を降ろした。
ほっとするような、がっかりするような感じ。
まぁ、私なんかが付き合う事なんて出来ないと思うけど。
でも、私って今さっきこの人に抱きしめられてたんだ。
今でも抱き締められた所は、熱を籠っている。
「寝るところ、俺の部屋でいい?」
「あっ・・・うん。」
「襲わねぇから安心しろ。」
私の心の中を読んだのか、そう言った。
仁なら、大丈夫だよね。