暴走族に恋した私
早く、ここから出たい。
けれど、家の外には見張りの人がいる。
雄也さんの鬼乱というチームの人が、私を見張っている。
私が、逃げないために。
学校だって、行く時も帰る時も送る人や迎えの人が来る。
私は、ここから逃げ出せない。
「由奈……どこだ。」
「雄也さん、ここです。」
雄也さんは目を擦りながら、起き上がる。
そして、手を伸ばして私が来るように催促してくる。
もちろん、行かないわけには行かなくて、その腕の中に入り込んだ。
雄也さんは私を、ギュっと抱きしめる。
離れないように、力強く抱きしめる。