暴走族に恋した私
「俺が誰でも優しいと思う?」
仁は私の瞳を見据える。
ん?どういうこと?
いや、あんまり深く考えない方がいい、良い方向ばっかに考えちゃうかもしんない。
期待したら、違うかった時の失望感が大きくなる。
「理由聞かねぇの?」
「理由…?」
「何で優しいかの理由。」
聞きたいよ、けど怖い。
喉から出たいけど、教えて。の一言がどうしても出ない。
皆に優しいなんて、聞きたくない。
「なぁ、分かんないのか?」
サラッ
仁が私の髪を掬って、落とす。
高鳴りが早くなる。
分かんないのか?って期待していいってこと?
仁が私のこと好きって自惚れそう。