暴走族に恋した私
「俺は、由奈のこと」
グイッと距離が近くなる。
息すら聞こえそうなくらいに、近い。
「最初か「ピリリリッー」
仁の言葉を遮るように、電話が鳴った。
落胆した。
続きが聞きたかった、私はその電話の相手に怒りすら覚える。
「もしもし。」
仁はその電話に出る。
電話の向こうから、声が聞こえた。
「白石です、仁お久しぶり。」
高い声。
けど、甲高いとかじゃない、透き通るような綺麗な声。
そんなことより、白石って…。
仁のお兄さんが言っていた、あの白石ちゃんって子なの?
そう思うと、黒い鬱陶しい感情が広がる。