暴走族に恋した私
「今ね~、何処に居ると思う?」
仁は少し悩んで、優しい声で答えた。
「焦らすな、馬鹿。」
そんな事、言いながら本当に優しい声。
まるで壊れものを扱うくらいに優しい、私とは扱い方が違う。
「えー直ぐ言ったら、楽しくない。」
その言葉の後に、ぶーっと言う、仁は小さく笑った。
やめて、嬉しそうに笑わないで。
ヤキモチするなんて、私は情けない。
「私は、今ね…。」
そして、電話の声が途切れた。
そして、次の瞬間仁は私の後ろを見て、驚きの表情に変わる。
私が振り向いて見ると、そこにはロングヘアーの可愛い女の子がいた。
私もロングヘアーだけどあんな、綺麗じゃない。
…羨ましい。
それより誰だろう?もしかして、白石ちゃんって子?