暴走族に恋した私
3章 欲しい人
お似合い
彼女が来て、変わった事があった。
「ねぇ?」
後ろからそんな声がして、振り向いた。
そこには、真崎が立っていた。
「なに?」
「ごめん、白石ちゃんと間違えちゃった。」
私はそう。っと、苦笑いを浮かべた。
あの日以来、よく白石ちゃんと間違われるようになっていた。
確かに後ろ姿は似てるかも。
同じ背丈、同じ髪の長さ。
違うところって言ったら、顔とかスタイルとか…。
まぁ、とにかく後姿は似てるらしい。
「白石ちゃんに何の用?会ったら言っとこおか?」
「仁が白石ちゃんに、話があるんだって。」
「そ、そうなんだ。」
ちくっと、また心が痛む。
白石ちゃんとは話したけど、本当に良い子だった。
そんな子に嫉妬してる自分が嫌になるくらいに、良い子だった。