暴走族に恋した私
屋上に行くと、そこにはいつものメンバーがいた。
そして、仁の横には白石ちゃん。
白石ちゃんは分かりやすいくらいに、仁との距離が近い。
それを見て、また心がモヤッとなる。
その時、不意に白石ちゃんに目があった。
「あっ、由奈さんこんにちは。」
「何か用があるの?」
口の端をあげて、私に話しかけた。
「用はないけど、皆と話そうと思って・・・。」
私がそう言うと、あっ・・・ないの。と聞こえるように呟く。
まるで、用がないなら来るなって言われてるよう。
勝手な解釈にしか過ぎないけど、まるでそう聞こえる。
「邪魔だったら、帰る。」
私はみんなに背を向けた。
戻ってきた女の子に、一日で居場所も取られた感じがする。
もともと、私なんていない方が良かったのかもしれない。