神様の憂鬱
プロローグ
「お願いだ! もう一度――もう一度だけ!」

ボクは足元でひれ伏す男を見つめ、大きく息をついた。

この男の願いを叶えてから三ヶ月。

ずいぶんと面白いものを見せてもらったような気がしたが、

やはり無駄な時間だったのかもしれない。

「なぁ、頼むよ。俺、何でもするから! これが最後でいい! 

もう一度だけやり直させてくれ。この間みたいに――」

この間、ねぇ。

ボクは呟いて記憶を少しだけ遡る。

この男と初めて出会ったところまで――

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