神様の憂鬱
4
天歌の教え
「おや、お早いお帰りで」
弦を爪弾く手をとめて、天歌が言った。
ボクは彼女の隣に腰掛けて、
「わからないよ」
と呟く。
「主様にでもわからないことがあるのですね」
おかしそうに天歌が笑う。
「ま、ね。ボクだってキミが思っているほど万能なわけではないよ。それに――」
「それに?」
「キミがボクから力を取り上げるから」
恨みがましく見つめると、
「勝負は勝負ですから」
ピンと弦を弾いた。
弦を爪弾く手をとめて、天歌が言った。
ボクは彼女の隣に腰掛けて、
「わからないよ」
と呟く。
「主様にでもわからないことがあるのですね」
おかしそうに天歌が笑う。
「ま、ね。ボクだってキミが思っているほど万能なわけではないよ。それに――」
「それに?」
「キミがボクから力を取り上げるから」
恨みがましく見つめると、
「勝負は勝負ですから」
ピンと弦を弾いた。