神様の憂鬱
――ってわけで、今ボクの目の前には天歌がいる。

社の上にあがると紗良奈に怒られるので、天歌に降りてきてもらった。

だから紗良奈は、天歌のいない社に向かって、一生懸命お祈りを捧げている。

なんだか変な気分だけど、ま、天歌には聞こえているっぽいし、いいのだろう。

「でさ、紗良奈に『ありがとう』って言われちゃったよ」

「おや、それはようございましたわね」

天歌が微笑みながら相槌(あいづち)を入れてくる。

さっきからこんな感じ。

紗良奈が社に向かっている間、大黒の社の前でおしゃべり中。

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