神様の憂鬱
「ま、人間の娘ごときに褒められたって、どうってことないんだけどさ」

「はいはい、そうでございますわね」

苦笑じみた顔で天歌が頷く。

「でもさぁ、こうやっていっぱい褒められていけば、

じきに紗良奈も心を開いてくれるんだよ、たぶん。

怒られる数より、褒められる数をいっぱいに増やせばいいんだよ。

違うかい?」

「あたくしもそう思いますわ、主様」

ほらっ、娘が呼んでますわよ。

天歌が言って、社の上に戻っていく。

ああ、ほんとだ。

いつのまにか、紗良奈がボクに向かって歩いてきている。

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