神様の憂鬱
5
ごめんなさい?
カーテンの隙間から、月明かりが漏れている。
その光は紗良奈の横顔を照らしつつ、ボクの足元まで伸びていた。
紗良奈は――
今日もベッドの上に座り、泣いている。
あの日から毎日こうだ。
ボクが勝手に部屋に入ると烈火のごとく怒るくせに、今は視線すらもよこさない。
一言も口を利かない。
ただ、おぼろげな目から水をこぼしている。
「紗良奈」
呼びかけて近づいてみるが、彼女の耳には届いていないようだ。
ベッド端に膝を乗せた。
ギシっときしんだ音がするが、彼女は一向に気にしない。
なにもない虚空(こくう)、もしくは真っ白な壁に眼差しを飛ばしている。
ポタリ、と頬を伝っていた雫が宙に解き放たれた。
引力にしたがって落ちていく。
布団の上には無数のしみがあった。
どれもこれも、彼女の身体から流れ出てきたものだ。
その光は紗良奈の横顔を照らしつつ、ボクの足元まで伸びていた。
紗良奈は――
今日もベッドの上に座り、泣いている。
あの日から毎日こうだ。
ボクが勝手に部屋に入ると烈火のごとく怒るくせに、今は視線すらもよこさない。
一言も口を利かない。
ただ、おぼろげな目から水をこぼしている。
「紗良奈」
呼びかけて近づいてみるが、彼女の耳には届いていないようだ。
ベッド端に膝を乗せた。
ギシっときしんだ音がするが、彼女は一向に気にしない。
なにもない虚空(こくう)、もしくは真っ白な壁に眼差しを飛ばしている。
ポタリ、と頬を伝っていた雫が宙に解き放たれた。
引力にしたがって落ちていく。
布団の上には無数のしみがあった。
どれもこれも、彼女の身体から流れ出てきたものだ。