神様の憂鬱

神様の憂鬱

窓の外から、日の光が差し込んでくる。

まぶしさに少し目を細め、立ち上がってカーテンの隙間をあわせた。

紗良奈は――

まだよく眠っている。

濡れていた頬は乾ききっていて、

彼女がつい何時間か前まで大泣きしていたなんて誰も気づかないだろう。

実際に見ていた、ボク以外を除いては。

ベッドの脇に戻り、ぺたんと床の上に腰を下ろした。

腕を組み、その上にあごを乗せて紗良奈の寝顔を眺めていた。

時折寝返りを打ったり、邪魔そうに頬にかかる髪の毛を指で払いのけたりしながらも、

起きる気配はまだない。

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